緊張の中で迎えた試合前。
ブーイングを覚悟していた。
マウンドに向かう金村に札幌ドームのファンから歓声がわき上がった。
投球練習をやめた。右翼席を見つめた。帽子を取り深々とわびた。
一塁側、本塁側、三塁側そして左翼席と5度、頭を下げた。
「謝ろうと決めていた。マウンドに上がった時、
いろいろな思いが込み上げてきました…」。その思いを伝えた。
処分解除を球団に一番主張したのが監督だけに、「恩返ししたかった」。
金村は続く福留をこん身のフォークで空振り三振に仕留めた。
6回からマウンドを譲ったが、5回を無失点と貫録の投球だった。
9月24日のロッテ戦5回2死満塁での降板指令に激高し、試合後に監督を批判した。
その夜、ことの重大さに気付き、友人に泣きながら電話をした。
「大変なことをしてしまった。どうしていいか分からない…」と混乱した。
発言は波紋を呼び、翌日にはプレーオフ出場停止を球団から科された。
個人のホームページには批判の書き込みが1000件以上に上り、
閉鎖する事態に発展。体重も4キロ減り、ほおもげっそりとこけた。

、新庄が、お立ち台での謝罪を終えた金村の体を抱き寄せた。
「ありがとう…」。耳元で優しくお礼を言った。
最高の舞台を演出してくれた、この日のヒーローにどうしても感謝の言葉を伝えたかった。
出場停止処分中に何度も「待っているよ」とメールを送信した、
投手陣の柱の復活劇で日本一へ王手。
得点にはつながらなかったが、2安打を放った。
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